DACアナログ回路の改善

もう改善と言ってもすることはトランジスターのftを上げる事しかありません!

でも、その先は高い周波数成分も増幅するので発振する事は容易に想像出来ます!

何より大変なのはPNPタイプトランジスター希望のHfeで揃えられるか?

古いCANタイプのPNPトランジスターはHfeがバラバラで、たとえ必要数揃っても相手NPNのHfeが違うのも現実です。

とりあえずft200MHz位のPNPTR40個購入しました。

Hfeの内訳は96×4個、109×10個、後は用途に合いません!

相手2SC1426のHfeは93でPNP 96×4個、は出力用 109×10個、は入力用に使用します。

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これで早速組み立てると極端にオフセット電圧がずれています、入力TRのコレクター電圧も低いし基盤TRの発熱が多いです。

やはり発振しています。アナログ基盤単体で動作確認しますと出力のPNPTRが真っ先に発熱し他のも追従するようです。

元に戻すのは最後の手段ですが、出力の位相補正又オフセットの安定性を確認、他の原因も確認しながら進めます。

 

9月20日追加 試行錯誤 途中経過

スペック図鑑さん☆5個、JH1LHVさん☆3個ありがとうございました。

試した結果問題点は今回改善点全部です。

①プラス側出力回路は位相補正とベースに入力抵抗つけたら改善しましたが、一番の問題点は形状が小さいので放熱が心配でドリフトの原因ともなります。

ここはA532で元に戻します。(音質比重はマイナス側が大きいです)

②入力回路2系統にしたのが失敗!

ftが高くなったのでベースのバイアス回路の影響を受けやすくなったのでデカップリングコンデンサー追加しました。

2系統入力 トランジスターの動作温度特性差に対して出力ドリフトが発生して、形状も小さい為か120mV位あり使い物にならない! ここは1系統に戻して様子を見ます。

以上の事を考えると前のがどれほど安定した動作だったのかが分かります。

ただトランジスターの形状が小さいと言っても、前はこのように使っていました。

(使用トランジスターは2SC1216と2N2906か2907だったのですが、缶ケースとアルミ基板絶縁は熱収縮チューブを使用)今見直すとこれも良い!

チップトランジスターとの比較もありました。

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 9月24日追加

もう途中では後悔しましたが、行き詰ったらしばらく放置!して頭を冷静にします。

色々してるうちに何か非常に敏感な事に気付きました。

各電圧測定値がバラバラだったりして、入力トランジスター、ベースバイアスの定電流FET交換したら流れる電流が極端に変化しました。

そこで要約DACアナログ回路の単独テスト方に問題がある事に気付きました。

それは基盤単独でエミッター入力をアースに落として動作させたため動作温度でHfeの各差又は入力ペアトランジスターのHfe95と102の差でオフセット250㎷出る程でした。

原因が分かったので何とか入力トランジスターはFT200MHz以上にしたい!

手持ちトランジスター見たら2SA571はFT300MHzですが外形の高さが少し低くHfeもバラバラで4個揃いません! 

次2N2904は2N2906、7と同類で外形が他のと同じ94BサイズでHfeの同じ物が3個ありました。

あと一つはHfe同じの2N2906でもいいや~

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(この写真を撮った後でトランジスターの頭に熱伝導パテをベタベタ塗布)

これで組み込み電圧チェックしたら改善前と大体同じ値でオフセットも超安定でボリューム調整角度もいい感じです。

ヘッドフォン試聴ですがだんだん違いが分かりました!

オペアンプで言ったら超高スルーレイトです。

スタジオ又はホール演奏がとても再現豊かになりました、具体的にもう独特な音色で生で聴いたような音質を思い浮かべるニュアンスとなりました。

この回路は高周波成分が多くてATT等部品をぶら下げると音質劣化がすぐ分かります。

26日追加

入力トランジスター交換したら予想以上の音でした。

ここまで詰めたので出力のPNPトランジスターも交換しないと悔いが残ります!

PNPタイプは色々選ぶ事は叶いません!

何とかA571Hfe揃えたのが4個出来ましたが、背の高さが低いのでスペーサーを入れます。

トランジスターの背の高さを揃えるのも一苦労ですが、2SC1426は同じく取り付けても2個0.3㎜位隙間が有りハサミで切る基板0.3㎜が隙間に入りますが、ここは熱伝導パテを盛る事にしました。

何回も基盤修正しましたので基盤裏が汚れていましたので、これで終わりと思いシンナーで基盤裏を洗いました。

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試聴ですが、最後の方の改善になるとその効果が素晴らしい!

今回ので今迄の音質の一線を超えた感じがします。

 10月3日追加

高周波成分を多く含んだこの回路は高周波基盤的に見るとデカップリングコンデンサーが足りず黄色い丸円の処に積層セラミックコンデンサーを追加しました。

電源回路は10μF,0.1μF,2700PF,270PF入力のベース回路は0.1μF,2700PF,270PFを追加しました。

聴感高域成分の再現性を良くするためチップ形積層メタライズドPPSフィルムコンデンサーは外しました。

たったこれだけの変更でも、もう顕著でオーケストラの大編成でも音が分離して聴こえますが、その音がクッキリで各ソロで演奏しているみたいで物凄い追力です。

高周波成分は大事です。